長期金利上昇に不安の住宅ローン。固定?変動?どれにすべき?これから住宅を購入する人のための金利徹底解説

目次
【2023年】住宅ローンの利用者アンケートの結果…7割以上が変動金利!?その理由は?


フラット35で知られる住宅金融支援機構による、2020年以降の住宅ローン利用者アンケートでは、変動金利型での利用者が72.3%とここ3年の間に全体の12%も増えているのが現状です。また、変動型を選ぶ理由についても見ていくと、日本の低金利が長く維持されてきていることにより、”返済の安定よりも”安さ”を選択する”という人が圧倒的に多いことが分かります。
共働き家庭が増え、家庭の収入は数十年前よりも多いはずではありますが、長きにわたる低金利に加え、現状の物価高や増税等を踏まえると少しでも支出を抑えたい、抑えなければならないという家計の現状もひとつの要因かもしれません。
住宅ローン金利の全てを解説 - 家を買う前に知っておきたいポイント
1. 住宅ローン金利とは何か?
住宅ローン金利は、住宅ローンを借りる際に支払う利息のことです。つまり、あなたが銀行や金融機関からお金を借りて家を買うとき、そのお金を使えるようにしてくれる代わりに、一定の金額を支払う必要があります。この金利は、借りたお金の一部であり、住宅ローンの返済額に影響を与えます。低い金利は、ローン返済が安くなり、予算にやさしいですが、高い金利は逆に支払いを増やすことになります。金利は経済状況や信用スコアによって変動することがあり、慎重に選ぶことが大切です。住宅ローン金利を理解し、適切な選択をすることは、家を購入する際に重要な要素の一つです。
2. 住宅ローン金利の重要性

- 固定金利 ー安定性の代わりに金利は1番高い
固定金利は、住宅ローンの金利が契約時に設定され、返済期間中一定です。金利が上下せず、返済金額や返済終了までの予測が可能で安定感があります。 - 変動金利ーリスクがある分金利は1番低い
変動金利は、市場の金利変動に合わせて変化します。金利が低い時期には支払額が少なくなりますが、逆に上昇すると支払額も増加します。 - 固定金利選択型ー支出予定に合わせて調整、金利は中間
借り入れ時から2年,3年,5年,10年,15年等の一定期間中の金利を固定しその後改めて変動/固定金利の選択をするタイプ。
住宅ローンは主に上記の三つのパターンに分けられます。15年程前からの金利水準は下記のとおりです。
数多くの銀行等による多少の差異はありますが、平均的に見て日本は他国と比べると低金利の水準を維持し続けています。
しかし、住宅ローンは借入金額が数千万と大きい単位であることから、数%の金利上昇でその支払い額は大きく影響を受けるのです。
【 例 】
金利1%/借入額3000万円/35年ローン金利が0.1%上がった場合…
年間16,872円ローンが上昇する計算。
これが数年・数十年になれば合計負担額も数十万円に。
| 月々の返済額 | |
| 金利1%時 | ¥84,685 |
| 金利1.1%時 | ¥86,091 |
| 返済額の差 | ¥1,406/月 ¥16,872/年 |
最近のニュースでは、アメリカの長期金利が上昇し、日本の国債を売る動きが強まったことにより金利が10年ぶりに0.745%まで上昇したとの情報が上がりました。この国債の利回りは、長期金利の代表的な指標とされ、住宅ローンの固定金利や企業向けの貸し出しなどの金利を決める指標になっており、私たちの生活にも密接に影響しています。
では、住宅ローン金利はどのような要因によって上下に水準していくのでしょうか。確認していきましょう。
3. 住宅ローン金利の変動要因
住宅ローン金利が変動する理由
金利の変動には様々な要因があります。端的にまとめると国内の景気動向・株価変動、海外の金利変動、金融政策、銀行同士の顧客獲得競争等、色々な経済・金融事情の相互作用によるものですが、それらの中でも今回は、「変動金利・固定金利」のそれぞれが上昇する仕組みについて、まとめていきたいと思います。
- 変動金利は「短期プライムレート」「店頭金利の引き下げ幅」に関係する
「短期プライムレート」とは…
金融機関が優良企業に対して融資を行う際の最優遇貸出金利のことを意味します。
それは景気動向や日銀の金融政策やよって変動するのですが、なぜそれが変動金利に影響するかというと、それは金融機関が変動金利を設定する際に、短期プライムレートを基にしているためです。つまり、経済状況等によって短期プライムレートが上昇すると、連動して変動金利も必然的に上昇することになるのです。
「適用金利の引き下げ幅」縮小の影響…
金利は2種類にわけることができ、一つは金融機関が設定している店頭金利。もう一つが返済に対して適用される適用金利です。
店頭金利:金融機関で独自に設定をする元々の金利ですが、そのほとんどが短期プライムレートを基準に決定しています。
家電量販店で言えば「定価」を表すようなものになります。
適用金利:店頭金利からそれぞれの金融機関で優遇をした後、実際に借り入れする金利のことを差します。
家電量販店で言えば、各社ごとに異なる割引やポイント還元などをした後の「販売価格」のようなものです。
店頭金利は金融機関ごとによる大きな差はありませんが、適用金利については各金融機関がどれくらい安く引き下げるのかで決まるため、金利価格に差が生まれます。そのため、各金融機関が引き下げ幅を大きくした場合は適用金利が下がりますが、引き下げ幅を逆に縮小した場合には、適用金利はそれまでの金利よりも上昇することになるのです。
引き下げ幅は契約で定められており、返済中の方には影響はありませんが、”当初優遇”による契約をしている場合は優遇期間を過ぎると金利が上昇するため注意が必要になります。
※当初優遇とは:ローン借入時に、決まられたある一定の期間は通常よりも金利が優遇される仕組み。例えば、「当初3年は1.5%優遇、4年目からは0.5%の優遇」等のことで、この場合は仮に金利が3%だった時、当初3年の間は1.5%の金利だが4年目からは2.5%の金利になる、ということを意味します。
- 固定金利は「10年国債利回り」「円金利スワップレート」に関係する
まず、固定金利型は銀行・信用金庫・信用組合等の金融機関が取り扱っているものであり、金利についてもその各金融機関で決めています。固定金利の代表的なものとしては住宅金融支援機構「フラット35」などがあり、「フラット35」のように全期間固定金利のものもあれば、「規定金利選択型」のように一定期間のみ固定金利のものもあります。それぞれ見ていきましょう。
| 全期間固定金利 | 一定期間固定金利 | |
| 金利増減の要因 | 「10年国債金利」の利回り 政府がお金を借りた際発行される国債を、10年保有する場合に支払う金利の割合のことを10年物国債金利といい、固定金利はその利回りに影響を受ける | 「円金利スワッププレート」 各金融機関が円金利同士(固定金利と変動金利)を交換することにより、金利変動リスクを回避し、貸し借りを効率的に行うために日常的に利用しているもの。そのため金利の値も固定金利と変動金利の中間に位置している。 |
一般的に長期金利は、景気が良くなると、固定期間が長い住宅ローンの金利も上昇します。
固定金利型の金利が上昇するタイミングは景気に影響するので比較的早いのが特徴です。
4. それぞれの家計に適した住宅ローン金利の種類
家計に合わせた
3つ金利タイプ
PATTERN
01

固定金利
契約時に設定された額を返済し続けるため、金利の上下による不安がなく、予測可能で安定感があります。金利は高い比較的高いですが、計画的にコツコツと予算立てをしながら安定的に返済を進めたい人に向いています。
PATTERN
02

変動金利
金利上昇による負担増のリスクはあるが、金利が低い時期はお得に借りられることがあります。リスクと利益のバランスを考え、借入額が少なく金利上昇の負荷が比較的小さい人や予想外の金利上昇にある程度耐えられる資産があるのことが理想です。
PATTERN
03

固定金利選択型
借入時から一定期間の間、金利変動による返済額の上昇による負担を避けたい人に適している金利タイプです。学費負担がある2年の間は支払いを一定額にしたい、金利上昇が不安で様子を見たい等、各家庭状況の支出予定や不安がある場合には有効活用できます。
6. 住宅ローン金利の未来予測
まず変動金利については、今後も金融機関による引き下げ幅と日銀の政策金利に注目していく必要があります。金融機関同士の競争が続く限りは大きく値が動くことは抑えられると思われます。都市銀行、地方銀行、その他ネット銀行も含め顧客の争奪戦は現状も続いており、一定の引き下げ幅は維持されるでしょう。仮に引き下げ幅が縮小された場合でも、既に住宅ローンを借りている方の引き下げ幅は変更にならないのが一般的です。
金利の推移を見ていくと、2010年以降変動金利に変化はありません。
しかし固定金利については変動が見られており、固定期間選択型(3年,10年)については前月よりも上昇しています。
長期金利の指標ともなる10年国債の金利が、7月末に上昇して以降、8月も0.6%台後半を推移していたことから、数多くの金融機関が固定金利の引き上げに動いています。長期固定金利の代表例である「フラット35」についても、先日の最新情報でも2カ月続けての金利引き上げとのニュースが出ており、今後金利がどのような動きを見せるか、注目していきたいところです。
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