【Z世代で増加中⁉】AI任せの投資/資産運用。その内容と注意点。今後の動向をまとめ

積立NISAや企業型確定拠出年金など、将来への資金形成のための投資や資産運用において、幅広い世代の人々の注目を集めている昨今。様々な社会や技術発展のなかでチャットGPTなどのAI技術の進化も著しく評価されてきています。それらが重なり、今世の中では、”投資や資産運用をAIに任せる”という傾向が一部で増えてきているというのです。
人々よりも多くのデータや知識を集約しているAI。その知能が様々なところで評価・利用される一方、投資というリスクのある場で自身の資金をAIに託す、というのは一体どういうことなのか。その内容や運用の実態、リスクなどについてまとめてみました。

そもそもAI(人口知能)とは?

AI(人工知能)の仕組み

AI(人工知能)とは、人の思考プロセスと同様に動作することが可能なプログラム全般、もしくは人が知的と感じる技術や情報処理のことを意味します。

ここ数年のAIブームにより、「深層学習(ディープラーニング)」や「機械学習」といった言葉をよく耳にする方もいるかもしれません。機械学習はAIに含まれる一部の概念で、人のいわゆる「学習」に近い仕組みをコンピューター等で実現したものを表します。機械学習では、入力データの中から発見したパターンやルールを認識し、新たにデータに当てはめていくことで、データの識別や予測が可能になります。ディープラーニングは、機械学習の手法のひとつです。「深層学習」いわゆるディープラーニングでは、多数の層から成り立つニューラルネットワークを用いて機械学習を行います。

深層学習
(Deep Learning)
機械学習の中でも、多数の層から成るニューラルネットワーク(人の脳の仕組みをコンピューター上で真似た仕組み)を用いた学習
パターンやルールを発見する上で、何に着目するかを自ら抽出することが可能
機械学習
(Machine Learning)
AIの中でも、人の「学習」に相当する仕組みをコンピューターなどで実現したもの
入力されたデータ上からパターンやルールを認識し、新たにデータに当てはめることで、識別や予測などが可能
人工知能
(Artificial Intelligence)
人の思考プロセスと同じような形で動作するプログラム全般
もしくは人が知的と感じるような情報処理や技術全般
参考: 総務省「人工知能(AI)のしくみ」

AIにできること

  • 画像認識
    …画像や動画から人や物、文字を識別
  • 音声認識
    …人の音声データ・テキストデータを認識・変換や声の識別
  • 自然言語処理
    …人の話す言語をコンピューターで処理し内容を抽出する技術
  • 需要予測
    …気候データや過去売上等から商品や部品の需要予測する技術
  • レコメンド
    …顧客データを分析し趣味嗜好に合った商品・サービスを提示
  • 機械制御
    …ロボットや生産設備などの操作を自動化

世代別AIの利用率

昨年話題になったchatGPTの存在もあり、多くの若者たちの話題にもなったAI。
実際にchatGPTについてはアンケート結果を見ても、幅広い年齢層で認知・利用されていることが分かります。全体の割合としては知っていると答えた人は61.3%、実際に利用したことがあると答えた人は12.1%にも上ります。男女比で見ると、男性の方が利用者率・認知率共に各年代で女性よりも2.3倍程度高い傾向にあります。下記は2023年4月頃のアンケート結果集計ですので、現在ではさらに増えていることが想定されます。

引用 : NRI「ChatGPTの性年代別認知・利用率(関東地方15~69歳、2023年4月15~16日)」

【新時代⁉】AI投資で資金運用もAIにお任せ可能な時代⁉老後貯蓄や資産形成が課題となる中で、そのメリット/デメリットや注意点は?

前述のように、AIは事業活動や日常生活などの多くの場面で頻繁に活用されるようになり、身近な存在となってきていますが、最近ではAIのその膨大なデータによる学習能力や予測データを活用し、資産運用の場面でもAIの導入が進んでいます。今回の記事では、そんなAIを用いた資産運用活用事例と注意点やAI投資の今後の影響力について見ていきたいと思います。AIを活用してどのいった資産運用が可能なのか。またその将来性等について気になる方は参考にご覧ください。

AIを活用した資金運用の具体的な例とは?

AIによる投資信託の運用

投資信託とは投資家から集めたお金を、プロであるファンドマネージャーが運用する投資商品のことで、一部の投資信託では実際に銘柄の選定時にAIを活用している例もあります。株式や債券等銘柄の選定については、その投資信託の方針に基づいてファンドマネージャーと呼ばれる専門知識を持ったプロが行うこととなっていますが、AIを活用している投資信託の場合には、このファンドマネージャーの一部の役割をAIが担っているのです。

AIを活用してのFX

FXとは為替証拠金取引Foreign Exchange)の略称であり、主に為替レートでの値動きを利用し、利益を生み出す投資の方法です。FXではプログラムを利用することによって自動的に売買を繰り返し行う自動売買FXと呼ばれるものもありますが、自動売買とAIを活用したFXは特徴がそれぞれ異なっています。

”AIを使ったFX”と”自動売買FX”の違い

自動売買FXは、事前にプログラムを設定しておくことで、その条件を満たした場合に売買の注文が自動で行われるようにする取引ツールのことです。自動売買の設定変更等をしない限りは、事前に決めた条件を満たす度に、その都度自動的に繰り返し売買が行われます。

また、単純にAIを活用するFXでは、過去の市場動向をAIに学習させることで、膨大な取引データを基に売買注文を自身で行う取引ツールのことです。FXでは過去の膨大な市場動向データだけではなく、常に最新の取引情報が集約され持続的に学習を進めていくため、今後の取引精度の向上も大きく期待されています。

アドバイザーとなるAIロボット

ロボアドバイザーとはAIを利用して投資の診断や運用を行うサービスのこと表し、それらは大きく「投資一任型」と「アドバイス型」の二つに分けられています。

・「投資一任型」…資産配分の提案だけではなく実際に商品の買い付けまでを一貫して行う仕組み
・「アドバイス型」…投資家が必要情報を入力することで、本人にあった資産配分の提案を受けられる仕組み
アドバイス型は手数料がかからないところも多いですが、投資一任型については買付まで行う作業などから手数料等がかかる可能性があります。

資産形成についての相談・アドバイス

投資だけでなく資産形成の方法等のアドバイスをしてくれるAIもあります。

例えば、結婚や出産、マイホームの購入等、自身の想定されるライフイベント内容や、推定予算、希望の時期等を入力することで、自身の貯蓄預貯金や外貨預金、投資信託などの情報が掲示され、どのような方法で必要資金を用意すれば良いか、最適な資産形成の方法をAIが考えそのアドバイスをもらうことができます。

AI関連の銘柄を購入

AI関連事業はまだまだ発展途中の段階で、大きな将来性があり、今後大きな値上がりを期待する人も多いであろう分野です。しかし、一点気がかりなのは、AIにより社会が便利になる一方で、AIが一部の人によって悪用されるケースや、AI関連企業の芳しくない決算内容の発表時など、AIについて好ましくないニュースが発表された際には値下がり幅も大きい傾向があるため、注意も必要です。

AI投資によるメリット・デメリットまとめ

AI投資のメリット

  • 初心者でも投資が始めやすくなる
  • 売買のタイミングを逃さず確認してくれる
  • 人の感情に流されず運用できる

AI投資のデメリット

  • 想定外の事態の対応が難しい場合がある
  • 自身の投資に関する知識が育たない
  • 手数料等のコストが高いところもある
  • 利益が約束されたものではない
AI投資のメリット

初心者の場合、投資の知識が乏しくどの銘柄を選べばよいか迷う人も多いと思います。AIによる過去の膨大な市場動向データや知識を元に選ばれたものであれば、想定外の事態がない限り大きな失敗は回避できるかもしれません。
また、FXのように変動が常に大きいものは仕事や寝ている間等に暴落する恐れもありますが、AIであれば自身が為替レートを見れない時間も、自身の代わりとなって常にチェックしてくれます。
投資は、常に自身の資産変動を伴うため、少しでも運用益がマイナスになると不安になってやめてしまうことがあります。NISAで紹介されるような長期積立型の投資の場合は、数十年という長期的な投資により価値が増えるものであり、短期では運用益がマイナスになってしまう場合が可能性が高いため、一時的に運用益が下がった場合でも、投資家は冷静な目で見て判断する心も必要になります。そういった投資家の人としての気持ちの揺れ等がなく、システムの頭脳による冷静な分析を行うことができるのがAIという部分も一つの利点かもしれません。

AI投資のデメリット

AIは過去の市場動向等を学習し、資産の配分や売買タイミングを判断しています。そのため、前例のない出来事や想定外の事態ではうまく機能しない可能性もあるのです。だからこそ投資判断を完全にAIに任せるのではなく、場合によってはAI投資を停止するかの判断が自身で必要になる場面があることを念頭におきましょう。また、経済に関する情報には目を向けておき、何か起こった際に慌てて判断を迫られパニックにならないよう兆候や前兆を早めに認識しておくことが大切です。
また、利用にかかる費用などについては、AIによる自動化でコストが下がるのではと思われるかもしれませんが、現状ではAI投資は運用や売買にかかる手数料等のコストが高い傾向があります。投資AIの進化や普及に応じて手数料等のコストは、今後減少していくことも考えられます。

しかし、投資をAIに一任してしまうと、資金運用を行う上で必要な投資の知識が身に付かない可能性や懸念もあります。投資で利益を出すためには、企業の業績等の情報だけではなく国の政策や中央銀行の政策金利などが大きな判断材料となり、様々な知識を身に付けることが重要ですが、こういった知識は投資以外にも、就職活動や日常会話等の業務で活かせることがあります。そのため、AIを使って投資をするときは、それだけに頼るのではなく自主的に投資に関連する情報を常に取り入れることを意識し学習も重ねていくことをおすすめします。

また、AIに頼ることで必ず利益を得られるということは決してありません。
あくまでAIは集約した取引データや経済背景等の情報や知識を基に、その後の変動を予測するものです。AIに一任するだけでなく、AIの判断以外に自身の投資知識や判断能力を身に着けていくことが非常に大切であり、それが自身の資産を守ることにも繋がります。

今後のAIの進化で投資はどう変化する?

AI投資の需要は高まり、さらに幅広い投資の手法が増えていく

今後も様々なAI技術が発展注目される中で、投資に関わるAI技術も深みを増し、さらにAIを利用した投資手法が広がっていくことが予測されます。上記でも説明したように、AIは過去の市場データ・取引データだけでなく、今現在の新しいデータを取り込み常に学習・進化を続けていくものです。そういったことからも、今後AIがさらに進化を進め、市場の動きチャートの動きの予測精度がさらに向上すれば、これまで投資にリスクだけを強く感じてきた人々や投資に割く時間が惜しい人々にとっても新たに参入する可能性が十分に増える可能性もあります。実際にZ世代の若者の中には、自身で銘柄を選定する際に、効率の最重視や、銘柄選びに時間を取られたくないことを理由とし、人工知能(AI)などに資産運用を一任する若者も出ているようです。

投資による資産運用を行う人々の増加

上記のようにAIを活用した資産運用は、現状発展途上の段階ですが、海外ではすでに人が資金運用に苦戦している期間中でも、好成績を出したAIも存在しているようです。日々進化していくAIによる投資の評価は高まり、投資の知識が乏しい初心者の人々でも、高いリターンを得ることが可能になる未来もあるかもしれません。

現在の日本では、資金運用について高等学校教育の中でも取り入れられるようになり、若い世代でも耳にしたり投資を知る機会が増えていることなども相まって、投資を始めることへの不安やハードルが下がり、今後も投資初心者の参入が増加すると考えられます。

人ではAIに勝てない”速さ”

AIは膨大な過去の市場取引データを基に分析を行い、売買に反映するまでを1/1000秒という驚異的スピードで行っているとされています。そのため今後、コンマ一秒にも満たないスピードでの取引が進むデイトレード等の短期トレードの中で人間がAIに勝つことは難しくなると思われます。

またごく一部の大口の投資家の売り対して、瞬時にAIが反応し一瞬で大暴落を起こす「フラッシュクラッシュ」という現象が今後は起きやすくなり大損のリスクを伴う可能性があるのです。
そういったことから、今後はさらに積立NISAなどの長期・積立・分散投資といったリスクを抑えた投資手法が手堅く大切になっていくと考えられます。

まとめ

今後もAIの需要や活用の幅が増える中で、その価値や扱われる市場も広がっていきますがそれと同時に、それらを扱う人々の判断や学び・思考も大切になります。
AI技術の進化と、その社会的影響はとてつもなく大きなものであり、人間の知識をはるかに凌駕するそれらを活用することで多数のメリットも存在しますが、けしてメリットだけがあるわけではありません。資金形成というそれぞれの人々が抱える問題の解消に繋がるのであればよいことですが、利便性や手法の増加、精度の向上等様々な進化の中にも、そこには必ずデメリットやリスクも存在することを忘れてはいけません。
よりよい社会や豊かな生活のためにAIをうまく活用し、ただAIに従うのではなく情報を精査し”賢く向き合い扱う”ことが改めて重要だと思います。

↓投資についての記事はこちらもチェック↓

【2023年最新】老後資金に必須?積立NISA改正後の新NISAとその内容・移行までを徹底解説!

まず、積立NISAとは?初心者にもわかりやすく解説! 積立NISA(つみたてNISA)は、日本の個人投資家向けの制度であり、NISA(少額投資非課税制度)の一種です。NISAは一般…

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です